何でやったか忘れたけど、ふとROUND TABLEを聴きたくなった。グループ外の女性vocalをfeaturingする前の初期の頃の。初めて聴いた時は、男性vocalの声が小山田にそっくりだったので、気になった。というか、今聴き直しても、曲想もcornelius、pizzicato five、original loveを彷彿とさせるので、それらも影響の一部であることは明らかだと思う。当時は似せ過ぎててちょっとイラッとしてしまって、1st full albumのDomino止まりであった。数年後、名前をまた聞いた時は「ちょびっツ」のアニメ化時のOpeningテーマとしてタイアップがあった時で、その時には別の女性vocalで、正直、キャッチーではあるけど、もう完全に興味を失ってしまうようなつまらない感じになってしまっていた。
しかし、人生とはこういうものである。40過ぎてこんなことをよく思う。どんなことって、昔好きで、でも嫌いになって(あるいはいつのまにか興味を失って忘れ去って)、ふと思い出してまた興味を持つ、みたいなこと。人の関係もそういうことがあったりする気がする。
先週、関西に帰った。というか、横浜に来てからも、1、2ヶ月ごとに関西に帰るようにしている。帰りたいからだ。コロナが蔓延してからも、なるべく感染者数が少ない時期を狙って帰っている。なぜかと言われると、帰りたいからだ。私が帰る大阪や神戸には、東京や横浜にないものがある。場所が違うので当然だ。私が言いたいのは雰囲気とかそういうはっきり表せない(表そうとしたら表せるのかもしれないけど、表したくないもの、と言うか)、そんなものだ。あとは文字通り、神戸にしか売っていないクッキーとか洋食屋の生姜焼きとか実家の近くのお好み焼きと串かつとか、そのためにも帰りたい。
前回も書いた缶入りクッキーは、そのコンセプト自体が好きだ(いろんな種類が綺麗に並べられていて、たいてい手焼きというようなこと)。冬には甘いものを余計に楽しむことができると思っているので、最近クッキー三昧である。今回の帰省を無駄にしないためにも1ヶ月前に予約をした。神戸花隈(大倉山)のフォンテーヌブローのリンツァーアウゲン(Linzer Augen)だ。数年前近所に住んでいた頃は、お店に行ったら普通に買うことができたのに、最近はどうやら予約が必要らしい。似たようなものを夙川のミッシェルバッハでも売っていて、そちらはさらに入手困難だ(早くから整理券をもらうための列ができる。整理券で、何時に来てくださいと言われて、また買いに行くという感じです。)。それと比べると、ある程度事前に予約しておけば、あとはゆっくり買いに行けるので、ありがたい。フォンテーヌブローとミッシェルバッハのパティシエは同じところで修行をして、師匠から同じレシピを譲り受けてそれぞれのお店でこのクッキーを作ってるとのことなので、ほとんど同じものであるはずだが、少し違いがあるとしたら、それはそれぞれの個性なのだなということで、わたしたち消費者はおもしろい体験をできるなあと思った(同時に入手とか、なかなか難しそうだけど)。
職場の同僚に1つ渡した。その日、帰ってきてからLINEが届いた。「昔食べていたクッキーととても似ていて、とても懐かしい気持ちになりました。娘と一緒に食べています。そのお店はもうなくて、本当に懐かしい。ありがとう。」私はぴーんときた。この同僚が話しているのが、この2つの洋菓子屋さんの修行をしていた洋菓子店なのだろう!!話を聞くとそのお店は「芦屋ベニール」というらしい。同僚が小さい時によく家にあったお菓子が、そのクッキーだったらしい。少し前にお店をたたまれたらしく、残念だとは思ったけど、その話を聞かせてもらえて、私は嬉しかった。ずっとどこで修行をしたのかと少し気になってはいたし。
フォンテーヌブローのリンツァーアウゲン |
少し話はずれたけど、人と人の縁って不思議やなと思う。いろんな事象が重なって、物事が進んでいくので、今居る状態には、何か1つでも欠けてしまったら到達しなかったんじゃないかなと思う。少しおおげさだけど。私が、同僚から、その人の小さい頃の思い出を聞くことができて、その人自身、あまりお母さんと連絡を取らないらしいが、少し話してみたいなと思ったと言ってくれた。実際にそうしたかどうかはわからないけど、それを聞いて私もほっこりした。少し不思議な感じがした冬の午後でした。
フォンテーヌブロー
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