自転車に乗るのが好きで、20 kmくらいなら自転車で行きます。コロナがはやってから、それよりさらに遠くてもまあ自転車で行こうか、という感じで過ごしてきました。とはいえ、歳が歳なので、最近は少し控え気味です。
普段、自転車で通っていて面白いなと思う場所が色々あるのです。その一つが、東急の世田谷線っていう軌道線がありますが、その山下駅のそばの踏切を横断する時です。駅舎のすぐそばに踏切があるので、駅の中を自転車で歩いてる感じがするのです。軌道線だから、プラットフォームも近くて、そのことがよりこの不思議な感じを強めていると思います。同じような感じで、西武多摩川線の白糸台駅も楽しいです(こちらは軌道線ではなく、鉄道ですが)。
それで、ここ最近の投稿のとおり、KANさんの音楽を、KANさんの存在を、中学生の時以来再認識し、30年越しにファンになろうとしていて、タワレコ新宿店にCDを買いに行ったのです。私はApple Music歴約5年で、これさえあればCDは要らないなと思っていたのですが、どうしてもKANさんのCDは改めてお金を出して入手したいと思ったのです。きっと、私の中のKANが平成で止まっていて、その頃音楽を聴くのはCDが普通だったからかなと思います。自分のKANのCDというものを持っていたいと思ったのだと思います。
前回の投稿にも書いたように、『プロポーズ』が一番好きな曲なので、オリジナルヴァージョンが収録されている「ゆっくり風呂につかりたい」を買いました。ブックレットにはその頃のKANさんが載っていて、風景も懐かしく、少し切ない感じがします。ページを進めていくと、どこかの駅のプラットフォームの写真が出てきました。KANさんはそこにはいませんが、看板の一つがKANさんになっています。駅のサインに「やました」と書いてあるのを見て、ハッとなりました。老眼が始まったらしく、即座に読めなくて、必死に目を凝らして駅のサインを読むと右側に「みやのさか」、左側に「まつばら」と書いてあります。いつも通る、あの山下駅でした。
そこにはKANさんはいないのだけど、数十年前のここにKANさんがいたのだと思うと、なんか胸の辺りがじんわりするような、そんな感じがしました。
再認識が遅すぎて、ファンになったときには既にこの世界にいないとか、なんとも切ない状態だと思いませんか。一ファンなんて、そもそもそのミュージシャンに個人的に会うことなんて不可能に近いけど(大阪でばったり渋谷系の黒船?MOMUSに巡り合ってしまった話はまた今度)、それでもいつか会えるかも、ばったり道端で会ったら、なんて言おうかなとか考えたり、サインをもらうために色紙とマジックペンを持ち歩いたり、あんなことやこんなことをして夢を見るものじゃないですか。でもその夢を見ることもできない、もう同じ世界にはいなさそうなことはほぼ確実で、永久の片思い、One-sided Love Foeverなわけです。でも逆に、かれこれ30年、KANさんの存在を忘れてしまっていたということもあって、これまでと今の状況がそんなに違うわけでもないから、なんか変な感じなのですよね。KANさんがいないということをあまり認識できる要素が私の生活にない。それでもXでファンや友人、音楽仲間の方たちがKANさんを偲んで話しているのを見て、それなりに実感しているところもあります。
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人の死は、受け入れるしかないです。受け入れるとか言っている自分ももうすぐ死ぬのです。
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山下駅で写真を撮ってみました(図1参照)。一つ気づいた点は、このCDのブックレットの写真(図2参照)の「小田急線のりかえ」に違和感があること。このCDの写真は、「みやのさか」方向に矢印があるので、上りホームであり、小田急は進行方向である南側に位置するから、本来なら小田急乗り換えの矢印は逆になるはずだなあと。上りと下りの線路が入れ替わることなんて早々ないと思うので(少なくともネットで検索してもそのような情報は出てこなかった)、おそらく、ホームへの入口が現在のように松原駅側、宮の坂駅側の両方になくて、松原駅側から一旦下り方面に行ってから、小田急に乗り換えるというふうになっていたのかな、この当時は、と推察しました。ネットで調べてみたら、このサイトに1977年の山下駅を見つけた(図3参照)。これもあまりよく見えないが、上りホーム(写真向かって右側)の宮の坂駅側(手前)が現在のように階段がないように見える。また、wikipediaのページでも、2007年に、こちら側が工事中である様子(図4参照)が見られて、もしかするとこの時に、こちらの出口が作られたのかもしれない。私個人の推測です。
図2 「ゆっくり風呂につかりたい」のブックレットの中の写真
そうすると、このKANさんが浸かっている湯船(図5参照)は、そのすぐそばにある「鶴の湯」さんなのかな?こちらも2012年に改装されたとのことなので、これも私の推測に過ぎませんが、ブックレットの表紙のKANさんの右上の方に写っている温度計のようなものが同じくらいの高さにある、ような気がする(図6参照)。
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