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7月, 2024の投稿を表示しています

高い声について

  高い声が特に好き、ということはない。むしろ、低い声を響かせられる声量を持っている人をうらやましく思う。  私が中高大学生であった1990年代~2000年初期のころは、高い声の女性シンガーが特に流行っていたように思う。それをカラオケで歌うことが流行っていた時代でもあったので、私自身も高い声が出ることを、少しは誇らしく思っていたし、よく褒められもした。所属していた大学の研究室の教授から、「来る道を間違ったようだね~」と言われ、なんとも複雑な気持ちになったものだ。   30代の前半、バンドでコーラスをすることがあって、風邪をひいてのどを傷めているのに無理したせいで、声が出にくくなったことがあった。また同じころ、会社で、先輩と業務上、うまく行かず、会議などで話すときに、首から肩にかけて硬くなって、声が出ないというような症状もあり、そんなことがあって、意図的に高い声をあまり出そうとしないようになった。   今となっては、のどの不調もある程度落ち着いて、それなりに高い声は出る。でもそんなに高い声で歌いたいとはもう思わないし、特に高い声の女性シンガーの曲を好んで聴こうと思わない。  ********  このようなことをとりとめもなく考えていて、ふと、 思った。谷口崇さんの声について私はどう思っているんだ?(後述するが、谷口崇さんと言えば高い声、なので。)谷口崇さんは、男性のシンガーソングライターだが、とても声が高い。この表現はもしかしたら、ご本人は嬉しくないかもしれないが、時々「かわいい子どもの声」のように聞こえたりもするくらい高い。まず、私が上で話していたのは、主に女性シンガーの話なので、関係ないといえばそれまでだけど、私は、特に高音にジーンとくるというタイプではない。ここで、私の好きな男性シンガー歴(歴であって、今も好きかは不問)を見てみよう。  小山田圭吾、小沢健二、秦基博、藤原基央、KAN、Rex Orange County、Tyler, the Creator、さかいゆう、Chris Montez、中島卓偉、Thomas Mars、Momus、Julian Casablancas  並べてみて初めて、私はどちらかいうと高めの音域の、どちらか言えば優し気な声が好きな傾向にあることに気づいた。それでそういう優し気な声の人が、響かせる低音が好きなのだ。...

SNSについて

  菅野完氏が、SNSでフォロー数がフォロワー数に比べて大きい人について、意見を聞くに値しないとのようなことをよく述べている。そんな人の方が実際は多いと思うが、目に付く人は、それだけ勝手に流れてくるから目に付くのであって、そうじゃない人は全然目に付かない。  フォロー数が多いというのは、少し大雑把に整理すると、情報が欲しいと思う対象が多いってことで、 フォローしているアカウントが全てアクティヴであることを前提とすると、数百もフォローしていたら、適切に情報を処理できているとは思えない。まあ私がそれで、でも本当は情報を全て漏らしたくないと思うような対象があれば、Xなんか使わなくても、どうにかして情報を探しに行くのだし、そういう意味で、数百もフォローする必要は本当はない。  とすると、まあどうでもよいけど、情報があるに越したことはない、みたいに、情報について受け身である、ということになる。自分で情報を取捨選択しているようで、実は逆で情報に踊らされているということになる。  そもそも、SNSはインターネット上のコミュニケーションツールであって、アカウントは自分の窓口のようなものであって、SNSで情報を得るということを目的としていること自体、私は情報弱者なのだなと認識したところである。  

ねえ云える? いま星が光っている理由

 貴方の心を映しているからだよ (『あおぞら』by椎名林檎から抜粋)  この曲を、発売当時の1999年辺りに聴いた覚えはない。もしかしたらその頃つるんでいた椎名林檎を好きな友だちが聴いていた可能性もあるけど、『本能』のシングルのB面ということなので、シングルを買うようなファンでもなんでもなかったので、自分では聴いていないのは確かだ。  去年、偶然この曲をApple Musicで聴いて思ったことは、大体の椎名林檎のヒット曲とは違って穏やかだけど、始まりから鳴っている「ヒュンヒュン」という電波的な(イメージ)音がなんとも(その頃の)椎名林檎っぽい。『あおぞら』というタイトルと「大切な人が遠くに行ってしまったこと」を匂わす少し悲しげな歌詞と穏やかなメロディと声とこの電波音がアンバランスにバランスを取っていてなんとも不穏だ。不穏な穏やかさというか。  で、聴けば聴くほど、当時聴いてなくてこれまでも聴いてこなかったはずなのに、どうも懐かしくて仕方ない、そんな気持ちになる。  ギターで弾いて唄ってみる。大学1年の頃の、特に何てことはない、普通に過ごしていた日々が頭の中を駆け巡る。  私が気づいていないだけで、この頃の椎名林檎の作品には共通する何かがあって、その何かがこの曲にもあって、それに私の記憶を司る脳の一部が反応しているのだろうか。この電波音がそれなのだろうか。私はこの不穏な穏やかさが私のあの頃の不安定な精神状態を思い出させているせいなんだと思う。 ********  もうかれこれ数年、人前で演奏する(あるいはSNSにアップする)なら、何の曲を1番目にするか、ということを考えている。もしかしたらこの曲になるのかもと思いながら今日唄っていた。   後日談、2024年7月16日追記  今日の未明、寝苦しくて目が覚めた。正しくは、夢うつつの状態が、どれくらいかはわからないけど続いていた。頭の中ではずっと、この椎名林檎の『あおぞら』が流れていた。ふと、叫び声のような人の声が聞こえて、完全に目が覚めた。 一瞬だった。 自分の肩と首の辺りがこわばるのを感じた。その後、いくら耳を澄ましてみても、何も聞こえなかった。私はDV体験者なので、誰かの叫び声というものは、私にいろんなことを思い出させて、一瞬にして私を恐怖に陥れる。しかし、その泣き叫ぶような声が止んだ後、何も聞こえ...